賃貸物件探しのコツと手順。引っ越し先の家賃設定と優先リストがキモ

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振り返ればこれまでの引っ越し歴10回。現在11回目の都内引っ越し準備中。慣れてるはずなのに、なぜか毎回勝手が違います。今後12回目、13回目もあること必至なので、健忘兼ねて、経験を項目別にまとめることにしました! 引っ越す側の視点でつらつらいきます。

引っ越し手続きの概要

一般的な引っ越し手続きは大まかには次のとおりです。

  • 1 引っ越し先物件を決める 
  • 2 不動産屋で気に入った物件を申し込む
  • 3 不動産屋が家賃補償会社へ連絡
  • 4 家賃補償会社が申込者を審査
  • 5 審査通過後、物件契約
  • 6 引っ越しトラック手配
  • 7 ガス・水道・電気・通信などの手配
  • 8 引っ越し

注意ポイント:審査に通らなければ引っ越しできません!

つまり物件探しの第一歩は、「審査が通りそうな物件を見極める」となります。

物件探しまでの手順

一番時間がかかるのは、物件を決めるまで。

楽しくもあり、面倒でもある物件選び。引っ越しするだけで、かなりのお金がかかりますから、後悔のないようちゃんと選ばなきゃとも思います。引っ越さなければならないオシリが決まっていると、不安から胃の一つも痛くなります!

一方で、不動産屋の営業さんは、ノルマがあって契約数をあげないといけないことは利用者側も知ってるコト。信用できる不動産屋さんがいてお任せできるのであれば、物件選びも簡単ですが、そうじゃない場合はできるだけ賢い利用者でいたいところです。

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効率よく、希望物件にたどり着くには、物件を絞り込んでいくコツを把握すること。いい不動産屋と出会うためにも、引っ越しの全体像を把握しておく事前準備が大切です。

いい不動産屋と出会えれば、希望物件への引っ越しが何らかの事情でダメになっても、他のを探す手伝いをしてくれますから、ある程度、引っ越しは成功と言えます。

ですので、ここでは、不動産屋に行くまでの手順を「独断基準で!」ご紹介です。

1家賃を「ざっくり」見極める

  • 目安は現在の所得(世帯所得)の1/3以下
  • 1/3以上の場合は、支払える額の根拠を考える

家賃は引っ越し経費を含めて検討します。

経費とは、敷金、礼金、仲介料、家賃補償会社契約料、引っ越し費用、カーテンなどの必要家具類で、目安として家賃の約6ヶ月分がかかります。さらに、だいたいの賃貸物件は2年後には更新料として1ヶ月分を支払う必要があります。

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最終的に判断するのは家賃補償会社

収入に対して、いくらの家賃の物件を借りるかは、賃貸の場合、実は本人が判断するのではなく、家賃補償会社が最終的に判断します。

家賃補償会社が、この家賃は高すぎるのでダメです、となれば、その価格帯の物件は借りられないことになります。

家賃補償会社がOKとする家賃を見極めることがまず必要です。

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家賃補償会社とは

賃貸で住まいを借りる場合、「家賃が払えなくなった場合に代りに支払ってくれる人」がいることが家主から求められます。ひと昔前だとこれが「保証人」でしたが、現在はほとんどの物件で「家賃補償会社」となっています。

つまり、賃貸物件を借りる場合、「家賃補償会社」との契約もセットになってきます。

「家賃補償会社」は、その名の通り、家賃が期日まで支払えなくなった時に、代わりに家賃を支払ってくれる会社です。ただし、一時立て替えてしくれるだけです。ですから、立て替えてもらったお金は返さなくてはなりません。

「家賃補償会社」と契約するためには、「家賃補償会社」の審査を受けなければなりません。審査でOKとならなければ、物件を借りることができないことになります。

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家賃補償会社の審査とは

「家賃補償会社」は、家賃が支払える人間かどうかを審査します。具体的には家賃の3倍以上の所得があるかどうか、がざっくりした基準となります。今後の見込みの所得ではなく、現在の所得から判断します。

希望の家賃の3倍以上の所得がある場合は、だいたいは審査通過となるようです。

人によって家族構成も、収入状況他諸事情はさまざまですから、審査は基本的に総合的な判断によって下されます。

問題は所得が3倍に届かない場合です。とくに、自営業、フリーランスなどは、会社員とは別の計算方法で申告する所得額が決まるので、基準にはまらない場合が出てきます。

家賃補償会社はケースバイケースで判断しますから、貯蓄額や、保証人を立てられるかどうかなど他の要素が必要となってきます。学生も含め、支払える額の根拠を明確にしておくことが必要です。

どこの「家賃補償会社」に審査されるかは、物件や仲介の不動産屋によって決まってきます。審査が通過しなかった場合でも、別の家賃補償会社で通過することもありますし、家賃補償会社に支払う額によっても審査が変わってきます。

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審査が通らなかったら/不動産屋が言ったこと

ある不動産屋のスタッフはこうおっしゃいました。
「審査に通らない不安がある場合は、いくつかの物件に申し込みをして、審査が通ったところについて入居を検討する、というやり方がいいと思います。審査基準が厳しいところもあれば、ゆるいところもあって、やってみないとわからないという部分もありますので」

別の不動産屋のスタッフはこうおっしゃいました。
「審査にひっかかった場合でも、どこもダメで入居先が決まらない事態にはならないと思います。みなさん結局はどこかに入居されてます。物件は今たくさんあって余ってるんですから」

審査が通らない場合というのは、家賃の支払い能力がないと判断された場合です。ですから、審査の結果如何で、家賃設定を低くしていく調整は必要となっていきますが、高い家賃のところを探しなおさなければならない、というケースはほぼ出てきません。

まずは狙いドコロの価格帯を見極めることが必要です。

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2 住みたい駅ベスト10を選出

職場、学校など、通勤通学時間にどれだけ時間をかけたいかを考え、住みたいエリアの駅を割り出していきます。

考慮ポイント

  • 通勤・通学時間にかけてもいい最大時間
  • 遊びに行きたいエリアへのアクセス状況
  • 生活したいエリア

まずは駅だけ考えましょう。徒歩時間を考慮するのは後回しでも大丈夫。まずはザックリ決めて行くことが大事です。 

3 家の広さの最低限を決める

最低、このくらいが欲しい、という広さを決めます。

ちなみに、平米と畳の関係は以下のとおり。

※二人暮らしで選ぶことの多い40㎡からは、水回りなどの設備(キッチン、トイレ、お風呂、洗面室、収納、通路など)の平均が8畳ほどとなるため、8畳を引いた居住空間をかっこ内に表記します)

目安一覧

10㎡(平米)≒約6.5畳
15㎡(平米)≒約10畳
20㎡(平米)≒約13畳
25㎡(平米)≒約16畳
30㎡(平米)≒約19.5畳
35㎡(平米)≒約23畳
40㎡(平米)≒約26畳(居住空間約18畳)
45㎡(平米)≒約29畳(居住空間約21畳)
50㎡(平米)≒約 32.5畳(居住空間約24.5畳)
55㎡(平米)≒約36畳(居住空間約28畳)
60㎡(平米)≒約39畳(居住空間約31畳)
65㎡(平米)≒約42畳(居住空間約34畳)
70㎡(平米)≒約45畳(居住空間約37畳)

間取りと広さ、どちらを優先するかで迷う時は、広さで考えると決めやすいです。部屋数が必要な時はパーテーションで間仕切りする選択肢もあるからです。

パーテーションはさまざまなタイプのものが売られています。

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4 家のここだけは譲れないベスト10を選出

せっかく新しい住まいにするんですから、胸踊る条件をクリアした物件を選びたい。賃貸物件の醍醐味は「今の自分にとって素敵」なトコロのある物件との出会いです!

お見合い相手に例えるなら、会ってみたら好きになっちゃった、は最高ですが、実際付き合ってみたらここが嫌い、は出てくるもの。それでも、「自分にとって素敵なトコロ」がちゃんとあるなら少々のことは目をつむれるもの。物件も同じです。

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項目の例

  • どでかい本棚を置いても床が大丈夫な鉄筋構造
  • 調理場が家の中心、アイランドキッチン
  • リフォームしたての綺麗なお風呂
  • 洗濯物干し場に雨よけのひさしがある
  • ごちゃごちゃ部屋は嫌だから収納が広々
  • ペット可で!
  • 窓全開で風を入れたいから電車や車の騒音厳禁
  • 愛車にすぐアクセスできる
  • 信号のないジョギングコース隣接
  • DIY・ガーデニングができる庭付き

5 家賃相場を調査

いよいよ検索です。賃貸物件情報サイトで、希望の場所と、家賃の上限、家の広さの下限を条件入力して、物件相場を「調査」します。

住みたい駅の周辺に、希望の物件があるかどうかを見ていき、難しいようであれば駅から歩く距離を検討したり、物件の条件の妥協点を考えます。

この駅で、この家賃で、この条件なら、物件がありそう、と目星をつけておくことが大事です。

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6 不動産屋が大事な理由

不動産屋を見極める

ここまでくれば、不動産屋を見極められる知識がついたも同然。不動産屋にコンタクトし、プロの知恵をいただきながら物件決めです。

前提として、賃貸物件情報サイトに載っている物件は、早い者勝ちで契約できる物件ではありません。すでに借主が決まっている物件が載っていることもあります。時々、釣り物件も混じってます。

賃貸物件情報サイトによっても載ってる物件が違っています。あれこれのサイトをチェックしていくとなると、不確かな情報確認のために無駄に時間をかけていくことになってしまいます。

その地域の家賃相場を把握しているだけで、不動産屋とのやりとりはぐっとスムーズになります。不動産屋が勧めてくる物件の良し悪しを判断することができるため、不動産屋自体を判断しやすくなります。

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不動産屋はマッチングアプリ

こんなことがありました。
賃貸物件情報サイトに掲載されていた物件の問い合わせをし、申し込みできるというので不動産屋に行きました。感じのいいスタッフで、あれこれ聞いているうちに、こんなことを言われました。
「実はこの物件は、大家さんが法人契約か大手会社員をおのぞみです。お申し込みは受け付けてるんですが、すでに法人から申し込みがあって、大家さんはそこに貸すと思います。申し込みは広く受け付けているんですけど・・・」

私が、大家さんのお好みの借り手ではないとやんわり伝えられました。

不動産屋は大家さんと借主の相性を見極めます。いい不動産屋なら、借主に合う大家さんを知ってる場合があるということです。

不動産屋はいわば入居審査の第一次面接みたいなもの。もしくはマッチングアプリ、または人材派遣センター、みたいな。

ですから、いい不動産屋を見つけることが大事なのです。まずは希望物件を、サイトに出ている物件で不動産屋に具体的に提示することが第一歩。

こんなこともありました。物件を見に行った時に、
「この階段に手すりがあるといいんですけど」
と言うと、不動産屋は
「大家さんに交渉しましょうか。ここの大家さん、そういう希望は聞いてくれる人ですよ」
と交渉を申し出てくれました。

大家さんと繋いでくれるのが不動産屋です。希望物件に近い物件を提示してくれるのが不動産屋。行ったところが感じの悪い不動産屋であれば、別のところを訪ねることをおすすめします。

不動産屋を判断する時に、あらかじめ免許番号を参考にするのもいいです。

例えば、「東京都知事(3)第86×××号」とあれば、カッコ内の数字を見ます。3は、その土地での営業が3年目であるということ。ツブれる店舗も多い不動産屋ですから、数字が小さいと少々不安。数字が大きい方が、地域に根ざしている店舗と言えます。

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不動産屋とのコンタクトの仕方

コンタクト方法は、サイトからの問い合わせか、もしくは直接行ってみる、ということになるでしょう。

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賃貸物件情報サイトの物件案内から

希望物件から問い合わせボタンをクリックすれば、取り扱う不動産屋から大抵はすぐに連絡がきます。

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近所の不動産屋に直接出向く

近くに良さそうな不動産屋があれば、そこに直接出向くのもいいです。賃貸物件情報サイトに載っている物件はほぼ、これ!と言えばどの不動産会社でも仲介してもらえます。(不動産会社は、取り扱い物件を、他の不動産会社と共有するデータベースに登録します。ですから、他の不動産会社が扱う物件でも紹介してもらうことができます)。

住みたい駅の不動産屋に直接出向く

住みたい駅に出向いて行って、そこの不動産会社に直接行ってみるのはなおいいです。

地域によって不動産の状況は違いますので、その土地の情報を持っているその土地の不動産屋に出向けるのであれば、これが一番のおすすめです。