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46 ケロイド出現

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 手術痕周りの皮膚が痛い。
 痛みはいいかげん引いてていい時期なのに。
 アキレス腱を切ってから2ヶ月と1週間が経った。
 手術をして、ギプスで3週間、装具で5週間を過ごして来た。装具を外して1週間。
 まだ痛みが続いている。ピリピリする痛みで、10分も歩くと痛みは強くなって辛い。皮膚もほてっているし、ぷっくりとした腫れも引いていない。

 装具を外してから初の外科の診察日。この日で診察は終了する予定だった。

「どうですか」
 医師がいつものように聞いてきた。当然大分良くなってきたでしょう、的な雰囲気を出している。
「ぜんぜん良くなった感じがしませんっ」
 イラっとして挑発的な態度で返してみた。前回出してもらった弱いステロイドの塗り薬はまったく効かなくて塗る気が失せ、その後患部は放置していた。
「どれどれ」
 手術痕を見、触れて火照りを確認した医師は、強いステロイドの塗り薬を処方し、様子を見てみましょうと言った。2週間ごとの診察はもう少し継続することとなった。
 処方された塗り薬は、アトピーの息子の肌にはよく効く薬。まあ、これなら効くかもな、とちょっと思った。

 で、それから2週間後の診察日。術後換算では2ヶ月と3週間後。
「どうですか」
 相変わらずな感じで聞いてきた医師に、強めの口調で返した。
「悪化してる感じがします!」
 言ってやった。
 言われた通り薬を塗ったけれど、痛みは引かず、火照りも腫れも全くよくならなかった。
 さらに見た目に変化が出ていた。
 傷跡にミミズ腫れが発現したかと思うと、それはみるみる成長していって診察の日には肥えた畑にいる丸まると太ったミミズほどになっていた。

 ミミズ腫れを見た医師は、即言った。
「ケロイドだ! これはケロイドです。ケロイドだ!」
 3回言った。
 ケロイド……。新しいキーワード。
 何それ?
「体質です」
 分かりませんけど。
「これは皮膚科です」
もう、外科の管轄外らしい。

 手術痕にケロイドができる人というのがソコソコの割合でいて、できるできないは体質で、できちゃった場合はすぐには治らず、消失は長期戦となる。
 ざっくりとケロイドについて説明するや、医師は同じ病院の皮膚科の予約手配を始めた。

 がっかりだ。
 ケロイドは面倒そうだ……。
 手術痕がケロイドになると分かっていたら、皮膚トラブルで痛みがこんなに長引くと分かっていたら手術は選ばなかった!
分からなかったわけだけど、可能性があるんだったら私はなる。じゃんけんもくじ引きも私は弱い!

 なんてほざいても後の祭り。
 しょーがない。長期戦受けて立つし!と即気持ちを切り替える。
 かくして私、外科とおさらばし皮膚科に通うこととなった。

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